舞城王太郎著
中学生の女子生徒のみが連続死する事件に直面した少年を主人公とする表題作を含む、全3編を収録した中編集。ストレートな青春、というか思春期小説だ。この作家はデビュー当初から愛を叫ぶことに全く躊躇がなくてすごいな(笑)。本作でも男女のであったり、友人のであったり、家族であったりの愛が描かれる。表題作は中学生の恋なのか欲望故の勘違いなのかよくわからないテンションがあるある感満載でかわいいし笑えた。女子の妙な結束は正にあるある!で怖いのだが。『鼻クソご飯』は題名があんまりにもあんまりなのだが、愛と暴力の中毒性みたいなものは一番濃く出ている。主人公にもその彼女にも、いやそれまずいんじゃない?!と突っ込みたくなるのだが、どうも切ない。『パッキャラ魔道』は3編の中で一番好きだ。家族が解体し、また(元の構成員とは違うかもしれないけど)再編されていく過程が、その契機はハリウッド映画みたいだけど以降は結構地に足がついた風に描かれる。特に両親の別離とそれぞれの新たなパートナーとの顛末が、ほどよくショボくてニマニマしてしまった。子供たちは当然そのとばっちりをくっていくのだが、人生はそれでも続き、そう悪くもない、というちょっとした安心感がある。ラスト、父親のスピーチがわりと陳腐なのもよかった。人生が陳腐で何が悪い!という腹の括り方。