大崎梢著
首都圏のチェーン系書店を舞台に繰り広げられるちょっとした謎に、書店員の杏子と勘の鋭いアルバイト・多絵が挑む。古本屋や専門書店ではなく、ごくごく一般的な大型書店というところが意外に新鮮。ミステリとしては小粒な「日常の謎」ものだが、書店ならではのトリックが好ましい。ただ、それゆえちょっと苦しいなというところもあるのだが。むしろ書店の営業がどのように行われているかというところを見ることができて、お仕事小説として読める。利用は頻繁にしているが、書店のシステムは意外に知らないなと。書店員さんが全員読書家というわけではないというのは、頭では分かっているし実体験としてもわかっているのだが、やはりちょっとがっかりしてしまうのよね、読書好きとしては・・・。なお、妙に少女マンガテイストがある作風だなと思っていたのだが、コミカライズされているんですね。漫画化との相性は良さそうだ。