近藤史恵著
面白い、完成度高いと評判だった本作。今頃になって(もう続編出てるしな・・・)読んでみたが確かに面白い。ロードレースのことはチームで走るんだよね、くらいのことしか知らなかったのだが、ルールとかそれぞれの役割とか、選手のメンタリティとか、説明文調ではないのにちゃんとわかる、いやわかった気分にさせるといった方が正しいか。ミステリ作家としては定評がある作家だが、基本的に小説が上手いんだなぁと今回やっと理解した。そしてロードレースの世界だからこそ起こった事件であり(特殊ルール下本格とも言える)、だからこそこういう筋道で推理が行われるという、舞台設定とミステリのトリック・解決部分がきちんと噛み合っているところに満足。コンパクトにまとまっているのもいい。