有栖川有栖著
ミステリ作家である著者による、本格ミステリに関する評論や新人賞の選評、エッセイ、はては著者が学生時代に書いた直筆原稿(この頃から既に江神シリーズ。しかしよく公開に踏み切ったと思う。本人相当恥ずかしいのでは)等をまとめたもの。くくりは「本格ミステリ」。ややファンアイテム的な1冊ではあるのだが、「本格ミステリは楽しい!」という信念に貫かれているところに非常に好感を持った。何かちょっと、胸を打たれるものがありましたね・・・。諸々の文章を読んでいると、著者は案外精神的にタフな人なのかもしれないなとも思った。というかタフでないと、枷の多いジャンル内であれだけ安定生産できないよな・・・。また新人賞の選評が結構辛らつなのが意外(笑)。