2009年は何本映画を見たかよくわからないのですが、多分2008年より見ているのではないかと思う。その中からベスト10本を選んだ。既出の「2009年の映画を振り返る」では単純に好きな映画ということで選んだが、今回は客観的にもよかった・完成度が高かったと思える映画を中心に選んだ。

1.『グラン・トリノ』
もはやこれを選ばないといけないような空気が(笑)。オーソドックスであると同時に「今」の映画であると思う。結構肩の力が抜けており、ユーモアがあるところがいい。良い映画には大抵ユーモアがある。イーストウッドの集大成・・・と思ったらもう次回作の公開が迫っている。すごいな。

2.『ミルク』
マイノリティであること、新しいことを始めようとすることは困難だが、いろいろな人が住みやすい世界を目指すミルクの戦いを見ると胸が熱くなる。ガス・ヴァン・サントの本気を見た。モブの男の子たちが皆かわいいのにもガス・ヴァン・サントの本気を見た(笑)

3.『3時10分、決断の時』
しゃべる男としゃべらない男の立ち位置の反転がスリリング。主演俳優2人の魅力が十二分に発揮されている。男の意地に泣いた。いい西部劇。

4.『アンナと過ごした4日間』
この完成度の高さは何・・・!構成も映像も鋭く濃密。ある愛を描いているが、徹底的に冷やか。

5.『ベンジャミン・バトン 数奇なる人生』
数奇を描くことで普遍的なものが浮かび上がる。人生は美しい。ブラッド・ピットってそういえば美形だったと思いだした。

6.『クリーン』
今年は本作と『夏時間の庭』が公開されたオリヴィエ・アサイヤス監督。どちらもすごくよかったが、あえてこちらをチョイス。

7.『母なる証明』
決して好きな作品というわけではないが、この濃さは無視できない。母の思いがおそろしかった。

8.『私の中のあなた』
家族を描いた作品として、それぞれの思いがとてもよく描かれている。時間軸の整理の仕方がうまい。

9.『レスラー』
「変われない」という意味では『クリーン』と重なる部分もあるが、男性の方がロマンティストなんですかね・・・。

10.『扉をたたく人』
これもまた「今」の映画。音楽映画でもある。打楽器いいね!

次点で『アンダーカヴァー』、『レイチェルの結婚』、『あの日、欲望の大地で』、『イングロリアス・バスターズ』、『夏時間の庭』。
なお、本のベスト10は今回は選ばないつもりです。そこまで際立った作品に巡り合わなかったこと、自分の読書に対する情熱が失われつつあるのが理由。