堀江敏幸著
「彼女」とは小説の中の「彼女」たち。女性登場人物ないしは女性作家をキーワードとした書評エッセイ集。好きな作家が書いた書評集に、自分が好きな作品が取り上げられていると無性にうれしいねぇ・・・。著者の他のエッセイよりも、本を紹介する、という部分を強めにしているように思う(掲載紙が文芸誌ではなくクロワッサンだったからかも)。著者が比較的若いころに読んだ作品が主だそうだ。青少年時代に読んだ小説は、作品の質とは別物で、心に切り込んでくる度合いが違うのかなと思った。青少年のころ読んだ小説を読み返すことはあっても、ある程度年齢を重ねてから読んだ小説を何度も読み返すということは、あまりない(人によってはあるのかな。私はないです)。とすると、年齢重ねてから小説読む意味は、とも思ってしまうが、それはそれで若い頃には出来なかった読み方を一度でできるのだろうから、いいのか。ともあれ、取り上げられているどの作品も読んでみたくなる。実際、本著がきっかけになって手に取った作品もある。著者の筆力おそるべし。