TVアニメ「東のエデン」の完結編。ではあるが、映画は前後篇なのでまだ完結していない・・・。1本の作品として評価するのは難しいが、とりあえず感想。日本をミサイルから救ったのが滝沢朗(木村良平)だということを知っているのは、森美咲(早見沙織)とその友人たちだけだった。姿を消した滝沢を咲は気にかけていたが、事件から1年後、彼がニューヨークにいるという情報を手に入れた。咲は単身渡米すとる。監督はTVシリーズと同じく神山健治。
 TVシリーズはそう好きというわけではないものの、それなりに面白く見ていた。しかし、映画という形で完結させる意義はあまり感じない。TVアニメとしては頭一つ抜けた作画クオリティでも、スクリーンサイズで見ると予想以上にきついものがあると実感することになってしまった。決して作画的にクオリティが低いわけではないのだが、映画作るのとTVアニメ作るのとはやっぱり違うんだなーと再認識した。
 ストーリー的にも、2時間弱を一気に見るという形に向いているとは思えない。30~40分程度を週1で小刻みに見る方が、本作の内容には向いていたのではないか。謎は小出しにしているしキャラクターは多いしで、2時間弱におさめるとぱんぱんになってしまう。思い切ってキャラクターを減らすとかエピソードを減らすとかすればよかったのかもしれないが、TVシリーズと直結している話だけに、そうもいかない。なんとかかんとか、TV放送枠をあと1クール確保してTVシリーズとして放送してほしかった。
 神山監督は以前より、その時々の時勢や社会問題(というか、時代の空気みたいなものか)を作品に濃く反映させようとする意図が強いと思うのだが、今回はいまいちツボを外してしまっている感がある。監督がとらえている「社会」が、地上10センチ上を浮いているような、ふわふわしている感じがする。地に足が付いているのか微妙というか・・・。それが上手くはまる作品(「精霊の守人」とか)もあるけど、本作の場合は現代ものなだけに違和感がある。とりあえずニートの捉え方がちょっとずれているような(早々に退社しちゃう元ニート職員の描写はうっすら悪意を感じるが。たしかに元ニートに限らずこういう若者いそうという意味で)。社会派アニメとして見ると拍子抜け、むしろ王道ラブコメ寄り少女漫画に近い(文字を使ったギャグが総じてすべっていたが)。