角田光代著
マチは「待ち」であり「街」である。つまらない人生を変えてくれる何かを待ち続ける女性たちを描く、短編小説集。舞台がどれも中央線沿線の街で、商店街やお店など、実在のものが名前は伏せてあるもののかなり具体的に出てくる。この店知ってる!と特定できると地元民としてはちょっとうれしい。しかしそれ以上に、何物にもなれない人生を送ることへの焦りと諦めが身にしみすぎる。角田小説は、やっぱり怖いなぁ。共感したくない部分で絶対共感するようにできてるんだよなぁ(笑)。つまらない人生にも美しい瞬間があり、それを糧にして生きる、もしくはこれが自分の人生と受け入れる契機になるのかもしれないという部分も描いてはおり、まったく出口が見えないというわけではない。しかしそういう瞬間を糧にするしかない、ということでもあるので、それはそれで結構きつい。