多田富雄著
10数年前の著作となるが、あまり古びたという印象は受けない。この分野には大変疎いので古びていてもわからないというのが正直なところなので、免疫系の研究の基本はこの時点で出来上がっているのかなと思った。HIVに関する情報はだいぶ古いなという印象だったが、アレルギーに関しては情報が今とあまり変わっていないような・・・。医療研究のジャンルとしては本当に新しいんだなと実感した。専門用語など、門外漢にとってはついていくのがかなり厳しいところもあるのだが、面白かった。脳が認識する自己と免疫系が認識する自己は必ずしも一致しない(最近は脳科学がはやっているけれど、免疫系が見ているものと脳が見ているものは違うのね)ということなど、そもそも何を持って自己とすればいいのかと考えさせられる。異物がシンプルに異物として認識されるのではなく、いったん自己に取り入れてからでないと異物と認識できないというあたり、哲学的ですらある。