ケイト・アトキンソン著、小野寺健訳
アリス、ネル、バンティ、ルビーというヨークシャーに生きた4代にわたる女たちの人生。2つの大戦を経たイギリス現代史でもある。描かれる時代が章ごとに前後するので、登場人物同士の関係を頻繁に見失いそうになった。冒頭に家系図あって助かったわー(ある意味ネタバレになってしまっているのだが)。4人の女性の人生は決して華々しいものではなく、劇的な事件はあってもどちらかというと苦笑いしたくなるようなものだ。しかし、見方によっては結構不幸だったりドロドロしそうなことも、ユーモラスに描いている。しめっぽさとセンチメンタリズムがないところがいい。また、ある一族、家族の物語ではあるが、決して強い絆があるわけでもなく、むしろ腐れ縁といったほうがいいような関係として描かれているのが面白かった(実母よりも、ひと夏を一緒に過ごした父の愛人との方がよっぽど相性のいいルビー姉妹がなんとも・・・)。普通、家族の物語と言うと不仲であっても最後には和解するのがお約束だが、ルビーは最後まで母親を愛した・愛されたとは思えずにいる。それもまた家族の形なのだろう。でもそこを全然嘆く感じではない。それもまた人生、という達観というか、ずぶとさみたいなものがある。