あのマドンナさんの初監督作品。女優だったりプロデューサーだったりしたことはあるが、果たして自分が監督となるとどうなんだろう、そもそもミュージシャンが映画を撮るとろくなことにならない場合が多いんだよな・・・などとぶつぶつ言いながらも、一応見てみた。意外によかったのでびっくり。マドンナごめんよ。
 ルームシェアしているAK(ユージン・ハッツ)、ホリー(ホリー・ウェストン)、ジュリエット(ヴィッキー・マクルア)。AKはミュージシャン志望だが生活の為SM調教師をしている。パレエ学校に通うホリーもストリッパーのバイトを始めた。薬剤師のジュリエットはアフリカ難民救済に燃える一方、薬を盗む癖を止められない。
 見て好印象を持ったが、いわゆる完成度の高い映画というわけではない。むしろゆるゆるである。冒頭、AKが観客に向かって語りかけ、「善と悪、コインの表と裏」というテーマを提示するものの、テーマは途中でうやむやになり、ラストでまたおもむろに言及される。またAKが観客に話しかけるというスタイルも、中盤ではほとんど出てこず導入された意図がよくわからない。そもそも、「善と悪」というほどには、主人公3人が悪いことをしているようには見えないのだ。風俗バイトの情景など出てくるものの、大変お行儀がよくセクシーさは極力抑えられている。この点が一番意外だった。マドンナって結構モラリストだったのかしらと。
 ゆるゆるな映画ではあるが、ところどころですごくきらきらしてかわいらしいシークエンスがあった。特にAKらと同じアパートに住む、視力を失った作家のエピソードがいい。彼はもう本を読むことができないのだが、本の手触りを楽しみ香りを吸い込む。しかし同時に、見えないことへの苛立ち、文字への渇望を隠せない。捨て鉢になった彼に、普段はいいかげんなAKが「あんたの詩が好きだ」と本気で話すシーンにははっとするし、この流れがあるからこそ、クライマックッスのライブシーンではつい目頭が熱くなりそうになる。マドンナにこういうものを撮る素質があったとは・・・。どの登場人物に対しても視線が優しい。マドンナ本人は、どちらかというとマッチョな人というイメージがあったのでとても意外だった。
 主演の女優2人がものすごくかわいくて、それもこの映画の大きな魅力となっている。フェミニンなブロンド美女のホリーと、ショートカットでファニーな雰囲気のジュリエットが対照的。2人がAKのアシスタントでスクールガールコスプレするところとか、キュートだった。その後、ホリーがスクールガールスタイルでストリップするのには、ハマりすぎていて笑いましたが(ブリトニー・スピアーズの曲って、やっぱり風俗くさいよな)。