怪事件を扱う秘密機関BPRDのエージェントにして地獄生まれの魔物・ヘルボーイ(ロン・パールマン)。彼の存在は世間には秘密なのだが、仕事中にしばしば一般人に目撃され、上司からは大目玉をくらう。プライベートでは、恋人のリズ(セルマ・ブレア)との仲もぎくしゃくしていた。一方、エルフの王子ヌアダは人間を抹殺すべく、「黄金の騎士団」の復活をもくろむ。彼の計画を阻止しようと、エルフの皇女ヌアラは「黄金の騎士団」を復活させるのに必要な王冠のパーツを持ち出す。
 監督は『パンズ・ラビリンス』で高い評価を得たギレルモ・デル・トロ。よかったな『パンズ~』当たって・・・。しかしそこで得た制作費をぶっこんだのが本作というところに、デル・トロの人柄の良さを感じる(笑)。シリーズ2作目となるが、ビジュアル面の面白さは段違いだ。トロルの市場や植物のモンスターなど、これがやりたかったんだろうなぁと実感する、力の入ったシーンだった。その反面、ストーリーの方は後半が若干やっつけ仕事っぽかったが。ビジュアル面にあまり関心のない人、デル・トロ監督のビジュアルセンスが好きではない人にとってはものたりないかもしれない。ぬけぬけとしたENDも、賛否両論(というかむしろ否)がありそう。
 デル・トロ監督は日本のアニメーションを子供の頃から見ていたそうだが、日本のTVアニメの長所と短所が色濃く反映されていたように思う。ヘルボーイが黄金の騎士団と戦うシーンの、戦っているヘル・ボーイと、周囲にいるリズたちとが妙に分断されてしまっているところ(映画の戦闘シーンは、その場全体での動きを見せるのが一般的だと思う。つまり騎士団はリズたちにも襲いかかり、そちらでも戦闘が開始されるはず)などは、個々の戦闘をピックアップしがちな日本のバトルものアニメっぽい。ヌアダ王子の戦闘服は、なんとなく和服っぽいしね(笑)。せっかくの見せ場なのに、映画のダイナミズムが削がれたみたいでちょっと残念だった。『パンズ~』の時も思ったのだが、デル・トロ監督は1シークエンスの中で複数の動きの流れを見せるのがあまり得意ではないのだろうか。
 本シリーズの魅力は、なんといってもヘル・ボーイのキャラクターにあると思う。見た目はいかつくてタフガイ風、葉巻を愛好しているが、中身は中学生男子並み。リズに「CDがあるんだからレコードはいらないでしょ!私の居場所がないわよ!」とキレられる姿や、エイブと「女ってわかんないよな・・・」とビールを飲みつつぼやきあう姿は、ヘタレ男子そのものである。タフな部分とダメな部分が同居しているところが、ヘル・ボーイのかわいさなのだろう。
 かわいいといえば、今回ヘルボーイの同僚である半魚人・エイブがちょうかわいいですよ!この純情派め!普段はクールで理知的なエイブだが、恋をするとやはり中学生男子並みである。ヘルボーイよりは、発想が大分乙女寄りかもしれないが・・・。