ローリングストーンズのライブフィルムを、マーティン・スコセッシ監督が撮影。この撮影のためにN.Y.のビーコンシアターで開催されたライブだそうだ。すごい顔合わせだが、スコセッシ監督である必要はあるのか?とちょっと疑問だった。だってストーンズだったら誰がとってもそれなりにかっこよさそうだしねー。しかし、実際に見てみると、やはり巨匠と言うべきか、ショットの切り替えが的確で気持ちいいし(音楽ドキュメントやライブフィルムだと、時々「なんでここで切るのか?!」と思う作品がある。音感のある監督じゃないとやっぱりうまくいかないのか)、メンバー間の人間関係が垣間見えるちょっとしたショットをしっかり押さえている。見ていてすごく気分が上がった。
 冒頭はライブ当日までのドキュメント風。スコセッシ本人も出演し、「まだセットリストこないの?!」等とカリカリしているのがおかしい。一方、ストーンズの方は入念にリハや選曲していてちょっと意外だった。きっちり仕事しているなーと。そのきっちり仕事している感が、ライブ本編でも遺憾なく発揮されている。プロのショーというのはこういうものか!とうなった。ストーンズは、デビュー当時はともかく今では特に演奏が神業というわけではないし楽曲が突出してユニークというわけでもないと思うだが、ひとたびステージに上がるとこうもかっこいいのかと。特に、ミック・ジャガーのスタイルの変わらなさと動きのしなやかさは驚異的。その年でその動きですか!その年で腹チラセクシーですか!どれだけ努力しているのかと。しかしこのプロ意識が、ストーンズを現在まで転がし続けてきたのだろうと思う。
 一方、もう一人のフロントマンであるキース・リチャーズは、おなかも若干出てきたし顔もゆるんできたかなというかんじ。しかしそれも魅力だ。妙に人懐っこさがあるのがかわいいのだ。そのかわいさをしっかり撮っているのはスコセッシの手腕だろう。キースがとちった時にミックがこいつトチりやがった!という険しい顔をしているシーンもばっちり抑えてあった。そのあと、フォローするかのように一緒にハモっていたのには妙になごんだ。
 ちなみに、観客としてクリントン元大統領夫妻が来場しており、開演の挨拶もクリントンがしていた。クリントンがらみのゲストが多数いたらしく、スタッフがストーンズに「あと30組あいさつする予定でーす。次のあいさつは6時の予定でーす」等と言っているのがおかしかった。それはクリントンに対するイヤミか・・・。またライブ中、観客が普通に携帯やデジカメで撮影しまくっていた。著作権の国の人じゃないのかよ!と思わず突っ込みたくなりました。