スティーヴ・ホッケンスミス著、日暮雅通訳
 1892年アメリカ西部の荒野。牧場を渡り歩く雇われカウボーイのオールド・レッドとビッグ・レッドの兄弟は、ぺしゃんこになった死体を発見する。オールド・レッドは尊敬するシャーロック・ホームズを真似て犯人を探そうとするが。西部劇+本格ミステリという異色の組み合わせ。しかもホームズが実在する世界(本人は登場しないが)という設定。登場するキャラクターが立っていて楽しい作風(訳文がこなれていていい)なので、ホームズにそう関心がない人でも楽しめる。なんといってもレッド兄弟がいい。兄は頭が切れるが文字が読めない、弟は読み書きができるがいまいち鈍いという役割分担が、兄弟探偵というキャラクターを成立させている。どちらかだけでは探偵として成立しないので、ホームズ&ワトソンとはちょっと色合いが異なるのだ。そして弟の兄に対する愛が泣けます。シリーズ化しているそうなので、邦訳されるのが楽しみ。当時のカウボーイの生活、彼らが置かれていた立場が垣間見えるのも面白い。すごーく臭いそうで気になってしまった部分多々あり。