パリ南西部の村、サン=ジュイールの市長ジュリアン(パスカル・グレゴリー)は、図書館、野外劇場、プールを備えた文化会館を建設する計画を立てた。ジュリアンの恋人で生粋のパリッ子な小説家ベレニスは彼を「領主みたい」と揶揄する。一方、村の小学校教師マルク(ファブリス・ルキーニ)はエコロジストぶりを発揮し建設には猛反対。パリ在住の記者ブランディーヌ(クレマンティーヌ・アムルー)はジュリアンに興味を持ち、村の住民へのインタビューを試みる。
 エリック・ロメール監督作品。ロメール映画といえば男と女がくっついたりくっつかなかったり・・・というイメージがあったのだが、本作は地方行政映画(笑)とでも言うべき変り種だ。フランスの行政、特に地方行政に関する話題がたくさん盛り込まれており、当時(1992年)の世相が垣間見られて興味深い。フランスでもやっぱり箱物行政が行われていたのかとか、道路族が幅を利かせていたのかとか。意外なところで日本との共通点が見られた。確かに日本と同じく官僚の力が強い国と言われているが、そんなところ似とかなくても・・・。
 映画は7つの章にわかれ、各章の前に「もし~が~でなかったら・・・」という字幕が出る。この文面の内容が起こっていたら、一連の事態は全く別の展開を見せていたかもしれない。それこそ市長と恋人の仲の良し悪しとか、留守電のスイッチを入れたか入れなかったかとかの些細なことで。政治に限らず、物事が決まる時ってそんなもんですよ、と監督にうやむやにされたような不思議なヘラヘラ感がある。もっとも、本作が真面目に地方行政やエコロジーについて問題を提示するつもりがあったのかというと、そうでもない気がする。ものすごくベタなところに話が落ち着くのと、いきなり始まる合唱を見てしまうと・・・。