台湾シネマコレクションで鑑賞。遺伝子制御が可能になった近未来。遺伝子制御薬を作る製薬会社に勤めるマリーンとスージーはルームシェアをしている。マリーンはひそかに肥満DNA抑制剤を飲んでいた。一方スージーは潔癖症が過剰すぎて恋人と別れたばかり。初恋相手と再会した彼女は、今度こそ彼との仲を長続きさせようと、副作用が大きく商品化中止となった潔癖DNA抑制剤に手を出すが。
 顔立ちも性格も地味で服装はパンツ派のマリーンと、キュートで奔放、露出度の高いワンピースやスカートを着まわすスージーという対照的な2人の女性が主人公のラブコメ。しかし、わがままだが憎めないスージーのキャラが立ちすぎて、マリーンが霞んでしまった。エピソード自体も、彼と彼女と双方に動きがある(スージーが潔癖症を治そうと勤めて不精にする一方で、彼氏の方は掃除洗濯入浴をせっせとするように)スージー側の方が面白い。マリーンは典型的な「待つ女」で、相手の男性がどういう人なのか全くわからないし、そもそも露出も少ない。マリーン側のエピソードはDNAともあまり関係ないし、ヒロインを2人にする必要はなかったのではないだろうか。スージーは女性の反感買いそう、もしくは男性にとってちょっと怖いタイプの女性だからか?しかしマリーンも女性の共感はあまり得られなさそうだが・・・。ただ、2人の女性が言動だけでなく、服装やメイクできちんとキャラ分けされているのはよかった。
 コメディとしては、台湾人の笑いのツボが日本人とズレているのか、単に映画としてこなれていないのかわからないが、少々不発気味。ヒロインの部屋やオフィスがばしっときまりすぎなところは、ちょっと昔のトレンディドラマのようで面映く、別の意味で笑えたが。本作の一番の笑いどころは、おそらく「粘菌」だろう。多分世界一粘菌がいっぱい出てくる映画。しかしそれなりに手間隙かかっているわりに、出す必要性が全くないのだ。監督の趣味なのか?
 ところで、台湾の男性はそんなにお風呂に入らないのか?靴下とかシャツとか平気で2,3日連投させるの?日本の男性だと、いくら部屋が汚くてもそこまでってのは考えにくいと思うのだが(私の周囲だけか?)。少なくともスージーの彼は営業職なんだから、臭うのはまずいよな(笑)