フリースクールに勤める恵美(石橋杏奈)は、交通事故の後遺症で10歳の頃から杖を使っている。小学生の頃、恵美は体の弱い由香(北浦愛)と仲良くなった。2人とも、体育の行事に参加できなかったのがきっかけだった。恵美は由香と過ごした時間を思い出す。監督は廣木隆一。出演者は演技経験のあまりない人たちらしくぎこちないのだが、監督のとつとつとした作風にはそれが合っていたと思う。
 由香が同級生のハナに「いつも恵美ちゃんと2人だけで寂しくないの?」と問われるシーンがある。また、恵美がハナに、入院している由香に対して冷たいとなじられるシーンがある。これに対する2人の反応がいい。友だちって、いつも一緒にいるとか、一緒に何かするとかってこととはちょっと違うだろう。あんまり「友だち」という言葉を安売りしない方がいいんじゃないかなぁと思うけど。だからこそ、入院した由香が恵美に投げかける「嫌かもしれないけど」という言葉の重みが際立つ。
 ただ、女の子達2人の友情は美しすぎて、却ってひっかかってこない。むしろ情けない、友情も自意識も空回り気味の男子2人が印象深い。特にサッカー部ベンチの少年。ほんとにいいとこなしなんですよこいつ!切ない(笑)!でもほほえましくもある。
 大人となった恵美が過去を振り返っていく構成だが、親しくなっていくライターの青年の存在はあまり必要なかったように思った。また、彼を連れて由香の両親に挨拶に行くというのには首をかしげてしまった。それだけ由香の両親とも親しいということなのだろうが、彼の方は紹介されても困るんじゃないかな・・・。また、一歩間違うとお涙頂戴ものになりかねないだけに、情に流されないように配慮された作品だったと思うが、その配慮が最後で台無しに。一気に陳腐さが増した。また、情感過多なエンドロール曲もいらなかったと思う。こういうのは、情感とぼしいくらいで丁度いいんじゃないかな。