『シティ・オブ・ゴッド』のパウロ・モレッリ監督の新作。リオデジャネイロの貧民外「ファヴェーラ」に住む少年、アセロラとラランジーニャは親友同士だ。アセロラには幼い息子がいて、妻は出稼ぎに行こうとしている。ラランジーニャは出生証明に父親の名前を記載したい一心で、行方不明の父親を探す。アセロラの協力を得て父親と再会するが、逆にアセロラとは疎遠になっていく。一方でアセロラは、地元のギャンググループに近づく羽目になっていた。
 前作『シティ・オブ・ゴッド』があまりに鮮烈だったのでつい期待しすぎてしまったかも。構成に凝っていた前作と比べると本作はシンプルで、少々ユルいと言ってもいいくらい。テンポは速いが、きっちり作りこんだという感じではなかった。逆に、エモーショナルさは本作の方が強い。前作は年代記的だったが、本作では中心に常に2人の少年がおり、その友情と裏切りが作品の縦糸になっているのだ。
 で、横糸が何かというと、やはり少年ギャンググループの抗争である。実に派手にドンパチやっているのだが、「一般人は殺さないようにしろよ!」という妙にまともな部分があってちょっと笑った。警戒態勢とか組織化とか、かなり本格的なのね。ともあれ地元民にとっては迷惑この上ない気がするのだが・・・。そしてこのギャンググループの中にも、友情と裏切りがある。そして過去にも、ある友情と裏切りがあったことが示唆される。
 3つの友情と裏切りがリンクしていく終盤になると、それまで少々ユルい感じだった物語が勢いを増し、引き込まれた。エンジンかかるのが遅めの映画なのだ(笑)。まさに「男たちの町」な物語で、女っ気は薄い。一応妻や恋人は登場するものの、いなくてもいいくらいの存在だ。あくまで男たちの友情、そして確執を克服できるかどうかというところが見所。ほのかに希望が見えるラストも印象的だ。
 見所といえば、舞台となる町自体が魅力的だった。実際には衛生状態とか臭いとかすごいことになっていそうなのだが(笑)、坂や路地が入り組んだごちゃっとした町並みには映画栄えする。この中で人を動かしたら面白いだろうなぁ!という映画心をくすぐられるのだ。