アルベール・ラモリス監督の1953年の作品。同年のカンヌ国際映画祭でパルムドール(短編)を受賞している(本編は40分)。人間に追われる野性の白馬と、少年との絆を描く。
 海沿いで、干潟と沼地と荒れ野があってという不思議な地形なのでどこなのかと思っていたら、南フランスのカマルグ湿地帯だそうだ。沼地の間を水路が走っているのどかな風景がある一方で、海岸近くの地面は干上がりひび割れている。風景にメリハリがあって魅力的だった。モノクロ映画なのだが、モノクロ画面が活きる風景を厳選したという感じ。セリフがごく少ない作品なので、風景、そして馬が美しいというビジュアル要素が大きい。
 馬と少年の友情という物語ではあるが、カウボーイ(フランスでもカウボーイはカウボーイスタイルなのね)が馬を追う様や、馬同士のケンカを延々と映すなど、むしろ馬映画なんじゃ・・・。監督、馬好きだったのかしら。白い馬がとにかく美しいので、馬好き必見だ。また、人間側の主人公である少年がすごい美少年でちょっと驚いた。馬にまたがる姿が大変絵になる。しかもこれみよがしに、胸をはだけたりシャツの袖とかズボンとかがやぶけたりで、肩やら足やらチラ見えしているので、ちょ、監督自重!と思った。何かを狙っているとしか思えません。ようするに馬と美少年を撮りたかったんだよ!と言われればうっかり納得してしまいそう。
 それはさておき、馬と少年の姿を見ているだけでも楽しい作品なのだが、ラストはなんだか物悲しい。これは一種の心中ではないだろうか。前向きなナレーションは入るが、この世界では一緒には生きられないってことだもんなぁ。