桐野夏生著
漂流して無人島に流れ着いた日本人たち。彼らはどう変化していくのか。『ダーク』以降、著者は人間の変態していく様、とくに理性や常識・通念から自由になり、いわば動物化していく様に強い関心を持っているのだろうか。文明から隔絶した地でだんだんタガが外れていく過程が、コメディ的でもあり怖くもある。人間が壊れていく過程に対してすごくイマジネーション豊かな作家だなぁ(笑)。遭難者唯一の女性である清子を40代に設定したところが流石というか意地が悪いというか・・・。彼女が環境にどんどん順応するたくましさとふてぶてしさにたじろぎつつ、一気読み。しかし最初の1ページでいきなり無人島生活5年目になっているところに吹いた。あと地名のネーミングの確信犯的安っぽさ。いろいろと思い切りがよすぎる。