米澤穂信著
 破格の時給につられてある実験の被験者のアルバイトをすることになった12人。奇妙な施設の中で1週間生活するというのがその内容なのだが、奇妙なルールが存在した。いわゆる館ものの本格ミステリ。ネタの出尽くした設定を、ルールで差別化しているところが上手い。この作家の作品には苦手意識があった(なんか、中学生的なメンタリティがね・・・)のだが、これは面白かった。しかし一般人はクローズドサークルという概念を持たず12体のインディアン人形を見ても危機感を覚えないとは!カルチャーショックだ!終盤の展開は本格ミステリの登場人物による本格ミステリに対する反乱ともとれるが、それもまた本格ミステリの枠の中のことという皮肉。