秋元治原作、日本推理小説作家協会監修
 大沢在昌、石田衣良、今野敏、柴田よしき、京極夏彦、逢坂剛、東野圭吾による「こち亀」トリビュート小説集。しかしどれもいまひとつ煮え切らない。こち亀のアクが強すぎるのか、それともこち亀がオールマイティすぎてトリビュートするにはとっかかりがないのか。この料理しにくさは正直意外だった。そんな中健闘していたのは、自分のフィールドに素材を引き込んじゃった京極。これ別にこち亀じゃなくてもいいよな!とは言ったものの、自分のスタイルが確立されているというのはやはり強みですね。自分のフィールドに引き込むという意味では東野も悪くはなかったが、これはこれで弾けすぎなような。原作の雰囲気に近いのは柴田だが、この人は文章力がちょっとなぁ・・・。あと、どの人の作品でも麗子の話し方がちょっと間違っているように思う。語尾伸ばし過ぎ。彼女はお嬢様なんですよ!