ダニエル・ペナック著、平岡敦訳
 出版社に勤める「天然スケープゴート」マロセーヌは、妹の婚約者が殺される事件に巻き込まれる。同時に、自社が抱えているベストセラー覆面作家の身代わりになることに。いきなり殺人事件が起こるのでこれはミステリ?と思って読んでいたのだが、奇人変人(死体も)がぞろぞろ出てくるドタバタコメディと言った方がいい。そしてなんとタイトルの「散文売りの少女」は本編とあまり関係がありません!少女と書物の組み合わせを期待した読者はがっかりすることだろう。確かに読書家ならぐっときてしまいそうないいエピソードなんですが、なくても話は成立するエピソードでもあるのね(笑)。何故タイトルにもってきたのか全くもって謎です。なお、マロセーヌのシスコンっぷりは堂に入っている。「お、お兄ちゃんは認めないぞそんな結婚!」というベタなシチュエーションが見られます。