これが映画『魁!!男塾』の感想であーるっっっ!!・・・って皆やりたかったでしょ。私もやりたかった。戦国時代に産声をあげた、真の男を育てる私塾「男塾」。滅多やたらに強い桃太郎(坂口拓)、富樫(照瑛)、虎丸(山田新太郎)、そして軟弱男の秀麻呂(尾上寛之)ら新入生たちが、男塾をのっとろうとする関東豪学連に戦いを挑む。原作は宮下あきらの同名マンガ。映画では油風呂に入ったり500キロの錘を下げ続けたりと相当無茶苦茶やっていますが原作はもっと無茶苦茶&超展開です。監督・脚本・主演は「VERSUS」「地獄甲子園」の坂口拓。
 率直に言って、決してクオリティの高い映画ではない。特に脚本と編集に難があるように思う。各エピソードの時間配分や組み立て方、場面転換のしかたがぎこちない為、特に前半は映画の勢いにブレーキをかけてしまっていている。また、役者の演技も上手くはない。肝心要のアクションも、CGを極力使わない心意気は買うが、出来不出来のバラつきが大きかった。冒頭、桃太郎が暴漢にからまれている秀麻呂を助けるシーンは、パンチが敵に当たっていないのが見え見えでちょっと冷めてしまったし、妙に正面からのショットが多いのも物足りない。やっぱり、拳なり足なりががっつりヒットするところが見たいのに・・・。
 しかしこの映画がダメ映画かと問われると、そうとも言えない、というか言いたくない。ああ坂口拓は男塾が好きなんだろうなぁ!桃太郎になりたかったんだろうなぁ!というのがひしひしと伝わってくるのだ。原作が過剰もいいところな作品だから、もっと突き抜けた笑える映画にすることも出来ただろうし、CGやVFXを使いまくることも出来ただろう(予算が許せばだけど)。しかしあえてそれをやらず真っ向から取り組んでいるところがよかった。終盤の大詠唱なんて、結構ぐっときます。アクションも、終盤は大分いい感じになっている。ラスボス・伊達役の人の動きが案外いい。坂口はもちろんそれなりに動ける人なんで、タイマンで見ると見栄えがするのだ。思うに、坂口は一人VS大勢よりもサシで勝負するアクションの方が好き&得意なんじゃないかしら。
 しかし本作のMVPは坂口ではなく照瑛であろう。アクションシーンはそれほど多くないのだが、その他の所での富樫っぷりがあまりにはまっていて唸った。そうそうそう富樫はこんな奴!彼の恋バナエピソードなど映画の文脈上全く不要なのだが、これ切れなかったんだろうなー。