ニコラ・フィリベールレトロスペクティブで鑑賞。15人の演劇学校制が地元であるフランス、ストラスブールをテーマにした芝居を一晩で作ろうとする様を映したドキュメンタリー。・・・なのだが、これ全くのドキュメンタリーと言えるのだろうか。ドキュメンタリーとしては妙に構図がかっちりしていたり、演劇論争がいかにもいかにもだったりで、かなり演出しているのではないかという印象を受けた。学生たちを撮ったドキュメンタリーというより、学生たちが舞台を作ろうとしているという演技をしている役者を撮っている感じがするのだ。彼らが演じる舞台よりも、それを作ろうとするてんやわんやの方が演劇的に見えてしまうのだ。
 演出しているように見えるというのは、実際に演出しているのかどうかは置いておいて、撮影対象が演劇学校生であるという要素も大きいだろう。やっぱり、役者の卵である以上、見られることには敏感だろう。カメラがあったら多かれ少なかれ、必ず映っている自分を意識していると思う。
 しかし15人で即興劇っていうのは無理だろう・・・。5~6人ならともかく、10人越えたらお互いの動きを読んであわせるのは難しいと思う。そもそもなんで即興に拘るのか謎だ。しかも一晩で舞台作るってのは無謀だ。プランが進まず少々険悪な論争になるのも、そりゃあそうなるわなと冷めた目で見てしまうのだった。