石垣の塀に囲まれたウォール村に住む青年トリスタン(チャーリー・コックス)は、片思いしているヴィクトリアの為、行くことが禁止されている塀の向こう側へ流れ星を拾いに行く。しかし空から落ちてきたのは金髪の美女イヴェイン(クレア・デインズ)だった!一方、3人の魔女姉妹は流れ星の力で若さを取り戻そうと、流れ星を探していた。はたまたもう一方では、王位継承を狙う3人の王子が空に飛ばされたルビーを探していた。そのルビーが星にぶつかり、落ちてきたのがイヴェインだったのだ!
 予告編から想像していたのよりも、はるかに能天気なファンタジーだった。ストーリーは大味だが、キャラクターの描き方に微妙に茶目っ気と悪意がある。主人公のボンクラ加減も堂に入っている。今年公開映画のボンクラ主人公としては『トランスフォーマー』越えた感が。流れ星を捕まえるというのはまあよしとして、その星が若くてかわいい女の子だとわかったら、「じゃあ村に連れて帰って片思い中の女の子に見せよう!」というまさかのリアクション。魔法の紐でふんじばって連れ歩くんですよ!何か発想おかしくないかそれ・・・。
 塀を越えると魔法の国という設定には、じゃあそれ上空から見たら地理的にどうなるのとか、塀くらいで行き来を防げるわけないんじゃないのとか、まあいろいろ突っ込み甲斐はあるのだが、空飛ぶ海賊船(なんかFFシリーズぽかった・・・)とか、氷の谷の魔女の屋敷とか、あと主人公が住む人間の村とか、ビジュアル的には結構楽しい。何より、登場人物たちのキャラクターが立っている。といっても、トリスタンはわかりやすくボンクラだしエヴェインはわかりやすくツンデレであまり魅力を感じなかった。魅力があったのは空飛ぶ海賊船の船長ロバート・デ・ニーロと、悪い魔女ミシェル・ファイファーだ。デ・ニーロ演じる船長は、本当は心優しくフェミニン(笑)なのに、周囲に舐められないようマッチョを気取っている。なんと女装姿まで披露してくれるというサービス振り。いつになくノリが良かった。そしてミシェル・ファイファーはこの人が本作の主役なんじゃないのと思うくらいの名(迷?)演。本当は醜く老いているのだが、魔法の力で無理矢理若返っているという設定なので、ちょっと魔力を使うとしわとかシミとか出てきちゃうんですね。それを微妙なお年頃(笑)のファイファーに演じさせるという意地の悪さ!そしてそういう役を堂々とこなしてしまうファイファーの太っ腹さ!いやー、ファイファー見ているだけでも結構楽しかったです。