サウジアラビアの外国人居住区を狙った爆破テロ事件解決の為、FBIチームが現地に乗り込む。キナ臭いドンバチ映画かと思ったら、結構しっかりと作っているし、シビアだ。後味は悪いので、すかっとしたい人にはお勧めしない。タイトルロールが中東とアメリカの関係を簡潔に説明しているので、しっかり見ておくとこの辺の事情を良く知らない人(私です)も後の理解がしやすいかも。
 主人公のFBI捜査官(ジェイミー・フォックス)はサウジアラビア側の警官の融通のきかなさや捜査方針の違い、ひいては文化の違いに辟易するのだが、サウジアラビアの警官にとってもそれは同様だ。お互いにぎこちない2人なのだが、官憲として事件を解決したいという職業意識でもって、何となく通じるものが生まれてくる。お互い探り探りやっている感じがいい。また、事件解決は武力ではなく地道な捜査によるものでなければいけないというところも、地に足が着いていたと思う。
 しかし最後、同じ言葉が2人の人物から発せられるのだが、それは2人の間に生まれた連帯感を全否定するものでもある。そして、一つのテロ事件を解明することはできても、彼らにはテロを止めることはできない、むしろ彼らがやったことは、また新たなテロを生むことだったのかもしれないと突きつけるのだ。人の善意とか共感とかが太刀打ちできない領域が提示されており、実に暗鬱とした気持ちになる。彼ら個人はテロを根絶したいと思っていても、彼らが属する組織の上の方はそうでもないのだ。
 首謀者特定の根拠が弱いんじゃないかとか、FBI隊員たちが不死身すぎるんじゃないかとかいう大味さは気になったものの、首謀者に迫っていく過程にはドキドキするし、火薬満載の爆破シーンやカーチェイスにもお腹いっぱい。派手な見せ場はあるが全体的にはシブいという、ちょっと面白い作品だった。