姜尚中著
 高校や大学で学んだ思想史をおさらいしているような、妙に懐かしさがあった。ルソーとかホッブスとか、うわあお久しぶりです!と思わず挨拶してしまいたくなる。お久しぶり、ということは実社会でこの人たちの思想に触れることがなかなかないということでもあるわけだが。「政治学」と名がつくとつい構えてしまうが、あくまで「入門」なのでそうややこしくは無いし、よく整理されていて時代の流れがわかりやすい。著者独自のカラーもそんなに強くないのは、やはり「入門」なところを配慮したのか。それでも在日コリアン2世という出自故か、周辺から眺めるような視点は一貫しているところが面白い。