コリン・デクスター著、大庭忠男訳
 大学試験委員のクインはなぜ殺されたのか?理知的なキレ者だがちょっと(いや結構)厭味なモース主任警部シリーズ作品。仮説→検証を延々と繰り返す、論理性に特化したミステリ。密室も孤島も館も出てこない、本格ミステリとしては非常に地味な作品だが、満足度は高かった。逆に言えば、タネや仕掛けが好きなミステリ読者にはいまいち魅力がないかもしれない。