梨木香歩著
 自分の周囲のことだから「ぐるりのこと」。タイトルのチョイスがいい。著者の作品を読むと、小説であれエッセイであれ、この人はこんなに繊細で明敏なのに、同時に妙に鈍感なところがあって不思議だと毎度思う。今回もそう思った。ぐるりとゆっくり見渡していきたいと考えているわりには妙に思い込みが強かったり(基本的に一途な人なのかしらと思う)、自分のナイーブさと自分への厳しさに縛られているようなところがあって、アンバランスだ。そこが面白いといえば面白いが、読む側も著者の思考に就き合わせられるわけなので、振り回されて疲れる。ちなみに、イギリスのセブンシスターズという場所を散歩したときのエッセイが収録されているが、セブンシスターズはいいですよー。昔行ったことがあるのだが、また行きたくなってしまった。