レイモンド・チャンドラー著、稲葉明雄訳
 チャンドラー作品の主人公はよく気絶するなー。視界が暗転して目覚めたら章が変わっているという展開が多すぎます!さて本作ではわりと謎解き、ミステリ度の高い作品が多かったと思う。中でも異色なのが奇想小説ぽい「ビンゴ教授の嗅ぎ薬」。いやこれはむしろ、訳者あとがきにあるようにアンチミステリか?しかし嗅ぎ薬って現存するのでしょうか・・・。あと「真珠は困りもの」は、男同志のちょっと奇妙な友情と、アイケルバーガーなる男の好漢ぶりが印象に残った。