覆面作家のダニエル(ダニエル・オートゥイユ)はカプリ島へ向かう船上で、美しい女性ミラ(アナ・ムグラリス)と出会い心奪われる。しかし彼女は義理の息子の結婚相手だった。ミラとの不倫をやめられないダニエルだが、何者かが2人の関係を知り、彼のある秘密をかぎつけた。
 富も社会的な地位も手にした男がファム・ファタールと出会ったことで転落していくというありがちなメロドラマかと思わせるが、ダニエルが抱えるある秘密が関わってくるので、ミステリ的でもある。ただ、中年男に美女が近づいてきて・・・というとこれは絶対裏に何かあるだろーと勘ぐってしまうので、謎が明かされても「やっぱりねー」と驚きが薄れてしまった。謎の出し方があまり上手くないせいかもしれないが。
 何より、ダニエルが本気でミラとの情事を隠そうとしているとは思えないほど行動がうかつなので、そんな今更騒いでも・・・という冷めた気分になってしまう。だってプールで彼女をガン見したり彼女の携帯に履歴残しまくったりしてたら勘ぐられますって。ガラス張りの窓辺とか妻息子と同じ屋根の下とかでセックスしてりゃーバレますって。本気で知られたくないならそれなりの対策をとれ!と渇を入れたくなります。本来悲劇になるはずなのに、ダニエルのうっかりさんっぷりゆえ悲劇に見えなくなってくる。そもそも、復讐者もこんなに頑張る必要なかったんじゃないかしら・・・。
 さて、ダニエルは不倫という秘密、あともっと大きな秘密を抱えているわけだが、人間秘密を抱え続けることには耐えられなくなってくるのかもしれないとふと思った。やっぱり、言いたくなっちゃったりするんじゃないかしら。だからダニエルも最後にある決断に至ったのだと思うのだが・・・どうなのかなぁ。
 そういえば、ダニエル・オートゥイユは最近こんな役柄ばっかりだなー。ファム・ファタールの役どころを演じるアナ・ムグラリスはシャネルのモデルだった人だが、当然美人でスタイル抜群。惜しげもなくヌードを披露しているところが見所といえば見所か。