三谷幸喜・和田誠著
 無類の映画好き2人による対談集。各章ごとに1本の映画を取り上げて語り合っているのだが、実に面白い。和田の博識ぶりもすごいのだが、三谷の脚本家としての視点には、映画ファンとして映画を見ているだけでは気づかない面も気づかされ、なるほど!と。やっぱり「どう作っているか」に意識がいくものなのね。しかし、三谷幸喜はやっぱりちょっと変わった人だと思います。『トイ・ストーリー』の章で、おもちゃはじぶんがおもちゃであることをどの程度認識しているのかという設定にやたらとこだわる所とか、細かいんですよ(笑)。取り上げられた作品の中で、私が実際に見たことがある映画は半分足らずだったが、見たことなくても面白かった。電車内で読んでいたら乗り過ごしそうになった。