天才的なドライブテクニックを持つ「ドライバー」(ライアン・ゴズリング)は、自動車修理工場の工員やアクション映画のカースタントとして働く傍ら、強盗の逃走を請け負う裏の顔を持っていた。同じアパートに住む若い母親・アイリーン(キャリー・マリガン)に恋心を抱いた彼だが、アイリーンには服役中の夫スタンダード(オスカー・アイザック)がいた。アイリーンは家庭を守ることを選ぶが、スタンダードは服役中、ギャングに借金をしており、強盗を強要されていた。ドライヴバーはスタンダードを助けることにするが。監督はニコラス・ウィンディング・レフン。原作はジェイムズ・サリスの同名小説。
予告編の段階でこれは自分が好きそうな映画だなぁと思い、原作を読んでその思いが更に強まったのだが、本編は期待を上回る好み度合いだった。よどみなく流れるような気持ちよさがあった。セリフは少なく、主人公であるドライバーの内面も特に見せない。普通の映画だったらここで盛り上げるな、というところ(特に心理ドラマの部分)をさらっと省略しているという印象だ。省略してはいるが、ちゃんと読み取れる。バイオレンスなシーンすら流麗で見とれた。暴力シーンは結構えげつない(力任せにやったりするので)のだが、それがエレガントに見えるという不思議。題名の通り、車を走らせるシーンが多い。その殆どが車内からのショットだ。車の映画ではなく車に乗る人の映画ということをよくわかってるなぁと思った。音楽も低音でモーターが廻っているような雰囲気のもので、ドライブ感を高めている。
主演のライアン・ゴズリングはここ1,2年でいきなり主演作が増えた印象があるが、どの作品を見ても全く別の人に見える。際立った個性があるタイプの役者ではないので、こなせる役柄の幅が広いのだろう。何より、高い技術がある人なんだなと改めて思った。顔の表情の微妙な変え方、特に口元の動かし方が抜群に上手いと思う。
「ドライバー」の行動は、「愛した女の為」といえばそうなのだが、ものすごく深い関係の相手というわけではないのになんでそこまで、というようなものだ。ただ、この行動を選ぶというところに彼の価値観が見える。アイリーンとの間に恋愛感情はあったのだろうが、恋愛感情からの行動というよりもむしろ、ある種の恩義を感じてのもののように思った。なんていうことない行為でも、それによって人生を救われることは多分あると思う。ので、ドライバーの行動にも個人的には納得がいくし、私にとってはすごく好きなキャラクターだ。
予告編の段階でこれは自分が好きそうな映画だなぁと思い、原作を読んでその思いが更に強まったのだが、本編は期待を上回る好み度合いだった。よどみなく流れるような気持ちよさがあった。セリフは少なく、主人公であるドライバーの内面も特に見せない。普通の映画だったらここで盛り上げるな、というところ(特に心理ドラマの部分)をさらっと省略しているという印象だ。省略してはいるが、ちゃんと読み取れる。バイオレンスなシーンすら流麗で見とれた。暴力シーンは結構えげつない(力任せにやったりするので)のだが、それがエレガントに見えるという不思議。題名の通り、車を走らせるシーンが多い。その殆どが車内からのショットだ。車の映画ではなく車に乗る人の映画ということをよくわかってるなぁと思った。音楽も低音でモーターが廻っているような雰囲気のもので、ドライブ感を高めている。
主演のライアン・ゴズリングはここ1,2年でいきなり主演作が増えた印象があるが、どの作品を見ても全く別の人に見える。際立った個性があるタイプの役者ではないので、こなせる役柄の幅が広いのだろう。何より、高い技術がある人なんだなと改めて思った。顔の表情の微妙な変え方、特に口元の動かし方が抜群に上手いと思う。
「ドライバー」の行動は、「愛した女の為」といえばそうなのだが、ものすごく深い関係の相手というわけではないのになんでそこまで、というようなものだ。ただ、この行動を選ぶというところに彼の価値観が見える。アイリーンとの間に恋愛感情はあったのだろうが、恋愛感情からの行動というよりもむしろ、ある種の恩義を感じてのもののように思った。なんていうことない行為でも、それによって人生を救われることは多分あると思う。ので、ドライバーの行動にも個人的には納得がいくし、私にとってはすごく好きなキャラクターだ。